持続化補助金・国の交付金・スーパーL資金の条件売り先を広げる制度の詳細(群馬県)
公開 2026年10月28日
この記事は「売り先を広げる制度と相談先(群馬県)」の後編です。前編から読む
持続化補助金(第20回)、国の交付金の創出支援型、日本政策金融公庫のスーパーL資金について、申請する人、対象になる経費と対象外の経費、補助率・上限、締切、発注してよい時期、窓口を、公式の資料から制度ごとに整理した後編です。対象が限られる農業改良資金と、県のロゴマークの補助金も載せています。
制度の情報は 2026年10月28日 に各公式サイトで確認した内容です。募集状況や条件は変わることがあるため、申請の前に必ず公式の最新情報と窓口で確認してください。(次の確認予定: 2026年11月5日)
前編では、売り先を広げるための国・県の支援と相談先を、やりたいこと(A〜D)から探せるように整理し、主な3つの制度の申請する人、支援の大きさ、発注してよい時期を表で比べました(前編「やりたいことから探す、制度と相談先」)。この記事では、群馬県の生産者が使える可能性のある3つの制度と、対象が限られる制度について、公式の資料に書かれていることを制度ごとに整理します(輸出は扱いません)。
先にまとめると
- 持続化補助金は対象経費の2/3・上限50万円。受付は11月5日〜12月15日の予定
- 創出支援型の交付金は1/2以内・上限500万円。3者以上の連携で県へ計画を出す
- スーパーL資金は認定農業者向けの融資。処理加工施設や販売施設にも使える
持続化補助金(第20回)を使うときの、主な日程の順番
対象: 小規模事業者持続化補助金(第20回)の申請から、発注・支払いを始めてよい時期まで、持続化補助金の公募要領(第8版)・公募スケジュール(2026年10月28日に確認)/公募要領・公募スケジュールに書かれた予定と目安を、順番に並べたもの(決まった日程ではありません)。年をまたぐため、各段に年を書いた
出典: 小規模事業者持続化補助金 第20回 公募要領 第8版・「申請について(第20回公募スケジュール)」
制度1 小規模事業者持続化補助金(第20回)
公表されていること
どんな取り組み向けか: 小規模事業者が自分で作った経営計画に基づく、販路開拓などの取り組みを支援する国の補助金です。公募要領は、例として「新たな市場への参入に向けた売り方の工夫」「新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発」を挙げています。
- 申請する人: 事業者本人(法人、または商工業者である個人事業主)。地域の商工会・商工会議所の支援を受けることが要件で、「事業支援計画書」を発行してもらう必要があります
- 農業者の扱い: 公募要領は、「系統出荷による収入のみである個人農業者」(系統出荷は、JAなどを通した出荷)と「農事組合法人」を、補助の対象にならない者として挙げています。個人の農業者について公募要領が対象と明記しているのは、農作物の加工や、農作物を使った料理の提供などの事業の、その加工などに必要な経費です。農作物の生産自体に必要な経費は対象外です。2026年10月22日に公開された「よくあるご質問」は、農業では収穫までが1次産業で、それより後の工程は2次・3次産業への取り組みにあたり、1次産業(系統出荷を含む)に使える機械等の費用でなければ補助対象経費になる、と説明しています。株式会社などの会社は「補助対象となりうる者」に入ります
- 業種の判定: 従業員数の基準は業種で違いますが、2026年10月22日に公開された別紙「参考資料」は、自分で生産した農水産物を販売する事業を「商業・サービス業」ではなく「製造業その他」に分類しています
- 対象地域: 日本国内(群馬県を含む)
- 対象になる経費: 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインの展示会・商談会を含む)、旅費、新商品開発費(試作品や包装パッケージの試作開発)、借料、委託・外注費。広報費やウェブサイト関連費だけでの申請はできません。新商品開発費は、テストマーケティングや市場調査の結果を踏まえたもの(またはそれを伴うもの)が対象です
- 対象外の経費(主なもの): 販売している商品の仕入れ、自動車、デザインの改良をしない既存の包装パッケージの印刷・購入、交付決定前に発注・契約・支払いをしたもの、国の他の補助金と重複する取り組み
- 対象外の事業: 事業が終わってから、おおむね1年以内に売上げにつながる見込みがない事業
- 補助率・上限: 対象経費の2/3、上限50万円。インボイス特例や賃金引上げ特例に当てはまる場合は、上限の上乗せなどがあります
- 自己負担: 対象経費の1/3と、対象外の経費。補助金は後払いです。たとえば対象経費が75万円なら、補助は50万円、自己負担は25万円です(NouManの計算)
- 募集の状態と締切: 受付前。申請の受付は2026年11月5日(木)から12月15日(火)17時まで(予定)。電子申請のみで、「GビズIDプライム」(国の電子申請に使うアカウント)が必要です。取得には数週間程度かかることがあるため、早めの手続きが必要です
- 事前相談の期限: 商工会・商工会議所の「事業支援計画書」の発行の受付締切は、2026年12月4日(金)です。これを過ぎると発行を頼めません。実質的な準備の期限は、申請の締切より前です
- 発注・契約・支払いを始めてよい時期: 交付決定日から。採択の発表は2027年3月頃の予定で、交付決定は採択の発表からおおむね1〜2か月かかる場合があります(公募要領の目安)。展示会への出展の申込みだけは、交付決定の前でも対象になります(請求書の発行が交付決定日以後の場合)。事業を行う期間は、交付決定日から2028年3月31日までです
- 窓口: 事業所のある地域の商工会、または商工会議所(どちらになるかは所在地で決まります)
- 公式: 商工会地区の事務局/商工会議所地区の事務局
※公募要領は、サービスの内容に見合わない「高額なアドバイス料金」を請求する業者への注意を呼びかけています。
制度2 国の交付金のうち、新商品開発・販路開拓の支援(創出支援型)
正式には、農山漁村振興交付金(地域資源活用価値創出対策)の創出支援型のうち「地域資源活用・地域連携推進支援事業」です。いわゆる6次産業化の国の支援の、現在の主な受け皿の一つです。
※群馬県の「令和8年度群馬県農業支援策活用ガイド」では、この交付金(6次産業化等ソフト・ハード支援)の要望調査を行う時期は前年度の1〜2月頃、申請先はぐんまブランド推進課、計画書や申請書の受理は随時とされています。ガイドどおりなら、令和8年度分の要望調査の時期は過ぎています。また、令和9年度の予算の概算要求の資料には、この事業(新商品開発・販路開拓への補助)の記載が見当たりませんでした。廃止とは書かれていませんが、来年度も続くかは未確定です。令和9年度分は、事業が続くかとあわせて、群馬県(ぐんまブランド推進課、各農業事務所)に確認してください。
公表されていること
どんな取り組み向けか: 農林水産物を使った新商品の開発(試作、パッケージデザインの開発、安全性のための成分分析など)と、販路の開拓(試食会・試験販売、商談会などへの出展)を支援する国の交付金です。
- 申請する人: 農林漁業者(団体を含む)、民間事業者、市町村など。農業者本人も事業を行う主体になれます。ただし、農林漁業者などが主体の場合は、自分を含む3者以上で、農林漁業者を必ず含む連携体制(ネットワーク)を作っているか、作る見込みであることが条件です
- 申請の流れ: 事業を行う人が事業実施計画を作り、群馬県(知事)に提出します。国は、予算の範囲内で、評価のポイントが高い順に選びます
- 対象地域: 原則として、中山間地域、振興山村、過疎地域、農業振興地域など、要領に定められた地域での取り組みです
- 採択の基準(新商品開発): 消費者の需要に合い、新しさがあること。そして、主な原材料の仕入れ先、製造の技術的な課題の解決策、販売価格の設定、実施の体制などを、事前に十分に調べ・検討していること。食品の安全の対策が講じられていること
- 対象になる経費: 賃金、旅費、委託料(原則として年度ごとの事業費の5割まで)、資材の購入費、必要最低限の設備・機器の導入など。設備・機器への助成額は、それ以外への助成額より低いことが条件です
- 対象外の経費(主なもの): 拠点の事務所の借上げ、交付決定の前に発生した経費、飲食・手土産・接待など
- 補助率・上限: 交付率1/2以内。事業の期間(最長2年間)の助成額の上限は500万円
- 自己負担: 対象経費の1/2以上と、対象外の経費(NouManの整理)。試験販売で収益が出た場合は、その分が交付金から差し引かれます
- 成果の目標と報告: 付加価値額と売上高を、事業を始める前の年度より増やすことが目標で、報告が必要です
- 発注・契約・支払いを始めてよい時期: 原則として、交付決定の通知を受けてから(機械の発注を含む)。やむを得ない場合に「交付決定前着手届」を出す方法もありますが、交付決定までに生じた損失は自己負担になるなどの条件があります
- 窓口: 群馬県農政部ぐんまブランド推進課(027-226-3133)、各農業事務所。相談は、群馬県地域資源活用・地域連携サポートセンターでも受け付けています
- 公式: 農林水産省「創出支援型、産業支援型」/群馬県「地域資源活用価値創出(6次産業化)の推進」/群馬県「令和8年度群馬県農業支援策活用ガイド」
制度3 日本政策金融公庫のスーパーL資金(融資)
公表されていること
どんな取り組み向けか: 農業経営改善計画の認定を受けた人(認定農業者)が、その計画を達成するために必要な資金を借りる融資です。施設・機械には、農産物の処理加工施設や、店舗などの流通販売施設も含まれます。
- 借りられる人: 認定農業者(個人・法人)。個人は、簿記の記帳を行っている(または今後行う)ことが条件です。さらに、経営改善資金計画を作り、市町村が事務局の「特別融資制度推進会議」の認定を受けた事業に限られます
- 対象地域: 公庫のページに地域の限定の記載はありません
- 使いみち: 農地等、施設・機械(処理加工施設・販売施設を含む)、果樹・家畜等、規模拡大や設備投資に伴う原材料費・人件費などの経営費 など
- 融資の限度額: 個人3億円(特認6億円)、法人10億円(特認20億円、一定の場合30億円)
- 返済期間: 25年以内(うち据置期間10年以内)
- 利率: 公庫の金利情報のページで確認してください。貸付当初5年間の金利負担の軽減措置は、条件があり、毎年度の国の予算の範囲内です
- 自己負担: 補助金ではないので、借りた全額を返済します
- 募集の状態: 公募や締切の形ではなく、随時の相談です。審査があります
- 発注・契約・支払いを始めてよい時期: 公庫のページには記載がありませんでした。融資が決まる前に発注・支払いした分を対象にできるかは、支店に確認してください
- 窓口: 日本政策金融公庫 前橋支店 農林水産事業(027-243-6061)。前提となる計画は、市町村に相談します
- 公式: 日本政策金融公庫「スーパーL資金」
ほかに:対象が限られる制度
主役にはしませんが、条件に当てはまる人には関係する制度です。
- 農業改良資金(日本政策金融公庫、無利子の融資): 新たな加工事業の開始や、新たな販売方式の導入などに使えます。ただし、六次産業化法などの法律に基づく計画の認定を受けていることが前提です。国の補助金を財源に含む補助事業には使えません(公式)
- 群馬県農業統一ロゴマーク活用サポート補助金: 県のロゴマークの使用認定を受けた人が対象で、ロゴ入りのシール・ラベルや版下、そのデザイン制作の経費の1/2以内(上限5万円)を補助します。受付は2026年12月31日まで(予算がなくなり次第終了)。交付決定の前に着手した経費は対象外です(公式)
補足
この記事は、2026年10月28日時点の公開資料をもとにしています。最新情報は、各社・各機関の公式サイト等でご確認ください。
出典
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領 第8版 資料を開く
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 参考資料(業種の考え方 p.2) 資料を開く
- 申請時によくあるご質問【第20回一般型 通常枠公募対象】(A3-36・A3-37) 資料を開く
- 申請について(第20回公募スケジュール) 資料を開く
- 農山漁村振興交付金(地域資源活用価値創出対策)実施要領 別記2-1 創出支援型 地域資源活用・地域連携推進支援事業(令和8年度) 資料を開く
- 農山漁村振興交付金交付等要綱(最終改正 令和8年4月7日) 資料を開く
- 令和9年度予算概算要求の概要(農山漁村振興交付金) 資料を開く
- 創出支援型、産業支援型 資料を開く
- 群馬県における地域資源活用価値創出(6次産業化)の推進 資料を開く
- 令和8年度群馬県農業支援策活用ガイド(令和8年2月3日時点)p.1(大規模契約栽培産地育成強化推進事業)、p.10(6次産業化等ソフト・ハード支援、サポートセンター) 資料を開く
- スーパーL資金 資料を開く
- 店舗案内(前橋支店) 資料を開く
- 農業改良資金 資料を開く
- 群馬県農業統一ロゴマーク活用サポート補助金制度について 資料を開く













